4. 9ヶ月の入院

 

 入院してまず、リボトリールを一時減量と水分の補給のため点滴で様子をみた。少しすると起きてる時間が増えてきて、ミルクも飲むようになってきた。ただ、やはり覚醒すると発作が出て、そのためにうまく飲めないことも。逆に完全に覚醒せず、ウトウト状態の時のほうが上手に飲めた。

3月18日の日記・・・・今日であつやは6ヶ月!早いような長かったような・・・。びっくんしちゃうとだめだけど、今日は目をパッチリあけて口を動かすときがあった。6ヶ月記念で手型、足型をとった。

3月19日の日記・・・・最近、AM3:00にいつも泣く。今日はミルク時間かかったけど、目をあけて一生懸命口を動かしていた。こんなの何日ぶりかな〜?うれしくなってしまった。周りの子の声も聞いてるみたいで、いい刺激になるみたい。子供同士ってのもなんか通じるものがあるんだろうな。発作がまた出てきちゃったので、今晩からリボトリール、少し増やすとのこと。

3月25日の日記・・・・今日また 薬増やしたがそれほど眠気はふえないようだ。睡眠不足の私はナース室のICUにあつやを預かってもらい、家に帰って休むことにした。

3月26日の日記・・・・13時間ぐっすり寝て、昼間、五月人形を買いに。夕方、病院に戻ってみると、なんと!あつやは夕べからほとんどミルクを飲んでない!お昼に20ccのみの記録ノートを見てショック!急いで果汁で試してみるとゴクゴク飲んだので、ミルクを200ccあっためてもらう。それも上手にゴクゴク飲んだ。お腹すいてたんだな・・・。私じゃないと飲まないなんて・・・。私を母として認めてくれてるようで、うれしくなってしまったが、ちょっと困ったことでもある。あつやにはかわいそうなことをしてしまった。ごめんね。 

4月に入り、薬を増やしていっても発作も脳波も改善されず、ACTH療法の話が出た。これの副作用は、「脳萎縮・高血圧・高血糖・胃潰瘍・食欲増進・不機嫌・感染に弱くなる・ムーンフェイス」。すでに脳の萎縮があるあつやには心配があったが、半年ほどで戻るというし、(あとで戻らないらしいと別の人に聞いた)飲みが下手なあつやには食欲増進はいいほうに作用する。なにより点頭てんかんに有効な治療法だということで、お願いすることにした。お尻に筋肉注射を毎日〜段階的に間隔あけながら8〜9週間かけてやっていく。         

4月14日〜開始。その日から私は1週間もお休みをもらい、その間面会に行った。面会時にミルクを一回飲ませると上手にゴクゴク飲む。でも、それ以外のときはやはり飲みが悪いようだった。注射をして2〜3日すると、表情がはっきりしてきて「わ〜」とか「あ〜」と声を出すように。(興奮だったのか?)その後発作は徐々に減り、脳波もかなり良くなっていった。       

5月19日、前日あつやを預けて家で休み、午後病院に戻ってみるとAM10時に20c飲ませたきりだった。すっごいかわいそうで、悔しくて泣いてしまった。そりゃ、看護婦さんも忙しいだろうけど、もうちっと努力して飲ませてくれたっていいじゃん。「これから長いんだから、お母さんも休んで」なんて言ってくれるが、これじゃ安心して預けられない。そう思った。

5月21日、5/10ごろから風邪ひいて熱が出たり下がったり、ゼロゼロも多めだったが、朝の回診では、胸の音はキレイになってきた、と言われ、ほっとしていた。しかし、また夜、熱発。ミルクの飲みも悪くぐったりしてきた。唇の色も悪い。PM11:00頃、T先生が来て、レントゲンと採血。肺炎だと言われた・・・呼吸も弱いので人口呼吸器も使うと。白血球も少なくなっているのでガンマグロブリンも使用すると。もうあまりに急なことで、ただオロオロするばかりだった。        

5/22AM2:00、T先生が「落ち着いてきたから大丈夫」と部屋に言いに来てくれ、少しほっとしたが、それまではかなり危なかったらしい。朝になってICUであつやの痛々しい姿と対面。口から管を入れられ・・・保育器の中のあの頃と同じだ・・・。ショックだった。午後、パパも来て同じ思いだったそうだ。この状態では付き添いできないので、私は家に戻ることになった。あつや、ごめんね、苦しかったんだね。                                 

次の日から面会になったが、1時間だけなので、なんとも物足りない。管が入っているので声は出ないが、辛そうに泣いてる顔を見て、思いっきり後ろ髪引かれながら、帰る毎日だった。 今回のショックと今までこらえていたものがドッと出てきて、泣いてばかりだった私。あつやの枕元にはカセットデッキを置いて、オリジナルのテープを何個か作って持っていった。挿管の管を安定させてる紐には、視覚の刺激に、と裁縫苦手な私がフェルトでおもちゃを作ってぶら下げてあげた。なにかあつやのことをしていないとやりきれない思いだった。       

5/28、抜管して様子をみたが、管を入れていたところが腫れてしまっているらしく空気の通りが悪くて苦しそうだったので、1時間半後に再び挿管。呼吸器は取って顔のまわりに囲いをして酸素を流していた。

6/5、再度抜管!取った直後は苦しそうだったがなんとか乗りきれそう。のどがゼイゼイ、凄い音。ガラガラ声だし。苦しそうだけどあつや、がんばって。また入れるのは辛いもんね。その後のあつやのがんばりで、サチュレーションも安定してきていい感じで、「いいぞ!いいぞ!」と喜んでいた矢先、また・・・。

6/21、面会に行くと顔のまわりの囲い(酸素)がない。やった♪と思ったら呼吸器がそばに!!??またまた管が入れられていた。どーして?あんなにがんばってたのに・・・。感染症で夕べからまた状態が悪くなっていると。前日、台風がすごくて「なにかあったらあつやが困るんだよ」とみんなに止められ、面会をパスした私だった。その次の日、こんなことになるなんて。私が来なかったから、あつやは元気なくなっちゃったんだ、と勝手な解釈をして、自分を責めた。

まだ、1ヶ月だからなんとも言えないが、今回の管がなかなか抜けない場合、(何ヶ月も挿管だとすると)気管切開をしたほうがいいと主治医に言われる。         

その後、熱が続き、吸引も頻回、下痢や嘔吐にも苦しんだが、ここもあつやのがんばりで乗り越えた。呼吸器が取れると抱っこが出来たので、人一倍抱っこが好きなあつやは、呼吸も楽になり、とてもいい表情になる。

7/29からは抜管の前日まで面会ではなく個室で朝から夕方まで付き添えることになり、私は張り切ってお弁当なんて作っていそいそと出かけた。ほとんど抱っこしていたが、やはりこの方が全然呼吸が落ちつく。発作のほうは・・・ACTHをやめると、また徐々に増えていた。ある日、病院の帰りに立ち寄った本屋で『笑ってよ、ゆっぴい』の本が目に止まり、ちょっと見てみようとパラパラと読んでいるうちにのめり込んでしまい、危うく本屋で号泣するところだった。なんとかこらえながらその本を買い、家で何度も読んだ。私はこの本を読んでからだろうか?今の現実を前向きに考えられるようになったのは。石井さんの「どうせ同じ人生なら楽しまなきゃ!」って言葉。    うんうん!!!

8/5、いよいよ抜管。ステロイドを使って、喉の腫れを取りながら、慎重に。これでまただめだったら、気管切開だというので、なんとかがんばって欲しかった。抜いた直後はやはり辛そうだったが、すぐに落ち着いて前回よりも全然いい感じ。その後も大丈夫で、や〜〜と管がとれたのだった!!!!でも2ヶ月ちょっと気管に管が入っていたわけで、それからあつやは喘鳴がすごい子に・・・。

肺炎の原因が誤嚥だということで、これから口からの栄養は無理かも。。。と言われる。これからいろんなものを食べさせたかったが、今の喉の音を聞いてると「無理かもね〜〜。」と私も思った。良くなったらまたお口からがんばろうね!

8/18から付き添いになった。やはり、ずっとついてるのは大変だが、それよりもうれしい気持ちの方がはるかに勝っていた。しばらくは個室にいたが、やはり夜は全然寝なかったりで、ICUが空いているときはちょこっと預かってもらいながらの病院生活が続く。その間、あつやは熱や嘔吐を繰り返して、なかなか元気になってくれず・・・。

9/18、あつやの1歳のバースデー!激動の1年だったけどよくがんばってくれた。ありがとう! 夫が職場でスズメバチに頭を刺されるというアクシデントに遭いながらも病院におもちゃとケーキを届けてくれた。(夫は辛そうですぐに帰ってしまう)まあるいケーキは友達になった他の部屋のママさん達におすそ分け。T先生には前の日の夜、オルゴール付きのミッフィーのメリーゴーランドを頂いた。とても感激!!!あつやもそのおもちゃはお気に入りで、ミッフィー大活躍だった。

夫に災難が降りかかりまくる。9/30今度は食物アレルギーのショック症状 で入院。私は二人の病院を行ったり来たり。親にはわたしがだんなをほっておくからだと責められ、も〜〜泣きたい気分だった。私の体は一つしかない・・・・。(結局カニエビのアレルギーで、4日で退院)

10月に入り、退院に向けてマーゲンチューブの入れ方を教えてもらった。こんなことを私に覚えろというのは永遠にチューブだと言われてるよな気がしてなんかイヤだったが、とにかく今は私が覚えないことには帰れない。必死に感覚を覚えようとがんばったが、最初はど〜もうまくいかないのだった。      

週末は外泊でだんだんと家に慣らしていった。はじめのうちはやはり環境の変化で熱を出し、病院にUターンなんてこともあったが・・・・・・ 

9年12月19日、9ヶ月の入院生活からおさらば、退院になった!! (前日に病棟のクリスマス会があって、あつやは枕をもらった♪)この入院生活でたくさんの人に出会った。ほんとにいろんな病気がこの世にあることも、そしてみんながんばって生きようとしていることも知った。元気で生まれて元気に大きくなるって、全然当たり前のとこじゃないんだって、つくづく思った。みんなあつやにとてもやさしくしてくれた。長期入院で一緒の部屋になったSちゃんのママ。いろんな話をしたね。子供が寝たあとベランダで星を見ながら語り合ったあの夜のこと、忘れない。